ゲーム「大航海時代」や日々の出来事日記です。
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 一昨日頃より、片づけなければならない物に振り回され色々と圧迫されていました。
そんな中、少ない自由時間である電車内で読み進めました本作。
はい、浸っています。心地よい満足感に。そんな訳で感想です。

b0023749_0225324.jpg

 先にも述べたかもしれませんが、島田荘司さんの御手洗潔シリーズ「異邦の騎士」です。
本作は理由もわからず記憶を失った男性が、ある女性と出会う所から始まります。
彼は記憶を失い自分の正体に苦悩する一方、新たに手に入れた女性との生活に満たされていく自分の気持ちに気付きます。

 そんな中自分が過去に残したであろう一冊のノートを見つけます。
そこには記憶を失う以前に生活を共にしていた妻子をある残虐な方法によって奪われた事や、
その事実を未然に防げなかった自分への罵倒などが綴られていました。
そんなノートの中の自分はその復讐を果たさんがため、妻子を奪った犯人を刺殺すべく計画を実行して---

 本作はミステリーというジャンルとして読み進めましたが、
終わってみるとその印象は薄く、どちらかというと恋愛小説の色が濃いので
他の同シリーズと比較して異色の作品と言えるようです。

 先に推理面での感想を述べてしまうと、いささか無理のあるトリックが多いようにおもいます。
詳しくは結末に触れてしまうので省略しますが、遠回しに言うなら「鏡を4ヵ月も見ないで生活できないよ!」
という感じでしょうかwぜんぜん遠回しではないですね(;^ω^)

 さて、そんな推理の面ではやや不満が残った本作ではありますが、
特筆すべきは別にあります。
それは先にも述べました恋愛描写や、御手洗と主人公との友情です。
特にこうもリアルに恋愛描写をされると、逆に島田さんがこの様な文を書く事自体が意外に思えてしまうほどです。

 寂しげな雰囲気が常に漂う中慎ましく育まれる愛情。
理不尽に踏みにじられる大切な気持ち。
非常に多感な心を持ちながらも、あえて背を向けなければならない後ろめたさ。
五里霧中の中出会い、お互いを認め合いながらジャズに耳を傾ける。

 とても印象に残りました。この様なリアルな描写があったからこそ、最後の畳みかける展開が生きてきます。
そういう意味では単純にミステリー描写のみより、
恋愛+ミステリーの形をとった本作の意欲的な姿勢は斬新です。

 また御手洗潔に関して、彼は終盤まで徹底して裏方に回っています。
しかし、要所要所でみせるその人間臭さは健在です。
また最高の見せ場である最終局面。荒川の土手に鋼鉄の荒馬を駆り颯爽と舞い降りる騎士。
20代の若々しい彼が生き生きと描かれている至高の名場面でした。
相変わらず御手洗の精神的な強さには素晴らしい魅力を感じますね。

 御手洗以外にも、本作の実質的主役である石川敬介とその恋人である石川良子。
この二人からはトリックに絡みつつも、文面からその切ないまでの激情をひしひしと感じます。

 そして、最後・・・最後から4ページ前・・・
これはもう・・・感動ですよ。それ以外に表現する言葉は持ちません。

 ぜひ、いや絶対に過去の御手洗作品を最低1作は見てから本作を読んでください!
そうでないとせっかくの感動が味わえなくなってしまいます。


 推理小説としては平凡な作品でしたが、それ以外の魅力をたくさん感じられた作品です。
読んだ後にこの様な満足感を得られる作品に出会えた事に心から感謝したいです。
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 先にも述べたかもしれませんが、島田荘司さんの御手洗潔シリーズ「異邦の騎士」です。
本作は理由もわからず記憶を失った男性が、ある女性と出会う所から始まります。
彼は記憶を失い自分の正体に苦悩する一方、新たに手に入れた女性との生活に満たされていく自分の気持ちに気付きます。

 そんな中自分が過去に残したであろう一冊のノートを見つけます。
そこには記憶を失う以前に生活を共にしていた妻子をある残虐な方法によって奪われた事や、
その事実を未然に防げなかった自分への罵倒などが綴られていました。
そんなノートの中の自分はその復讐を果たさんがため、妻子を奪った犯人を刺殺すべく計画を実行して---

 本作はミステリーというジャンルとして読み進めましたが、
終わってみるとその印象は薄く、どちらかというと恋愛小説の色が濃いので
他の同シリーズと比較して異色の作品と言えるようです。

 先に推理面での感想を述べてしまうと、いささか無理のあるトリックが多いようにおもいます。
詳しくは結末に触れてしまうので省略しますが、遠回しに言うなら「鏡を4ヵ月も見ないで生活できないよ!」
という感じでしょうかwぜんぜん遠回しではないですね(;^ω^)

 さて、そんな推理の面ではやや不満が残った本作ではありますが、
特筆すべきは別にあります。
それは先にも述べました恋愛描写や、御手洗と主人公との友情です。
特にこうもリアルに恋愛描写をされると、逆に島田さんがこの様な文を書く事自体が意外に思えてしまうほどです。

 寂しげな雰囲気が常に漂う中慎ましく育まれる愛情。
理不尽に踏みにじられる大切な気持ち。
非常に多感な心を持ちながらも、あえて背を向けなければならない後ろめたさ。
五里霧中の中出会い、お互いを認め合いながらジャズに耳を傾ける。

 とても印象に残りました。この様なリアルな描写があったからこそ、最後の畳みかける展開が生きてきます。
そういう意味では単純にミステリー描写のみより、
恋愛+ミステリーの形をとった本作の意欲的な姿勢は斬新です。

 また御手洗潔に関して、彼は終盤まで徹底して裏方に回っています。
しかし、要所要所でみせるその人間臭さは健在です。
また最高の見せ場である最終局面。荒川の土手に鋼鉄の荒馬を駆り颯爽と舞い降りる騎士。
20代の若々しい彼が生き生きと描かれている至高の名場面でした。
相変わらず御手洗の精神的な強さには素晴らしい魅力を感じますね。

 御手洗以外にも、本作の実質的主役である石川敬介とその恋人である石川良子。
この二人からはトリックに絡みつつも、文面からその切ないまでの激情をひしひしと感じます。

 そして、最後・・・最後から4ページ前・・・
これはもう・・・感動ですよ。それ以外に表現する言葉は持ちません。

 ぜひ、いや絶対に過去の御手洗作品を最低1作は見てから本作を読んでください!
そうでないとせっかくの感動が味わえなくなってしまいます。


 推理小説としては平凡な作品でしたが、それ以外の魅力をたくさん感じられた作品です。
読んだ後にこの様な満足感を得られる作品に出会えた事に心から感謝したいです。
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【2009/12/18 20:17】 |
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